こんにちは!shuです。
今回は、マイナスを含めた数の大小を学んでいきましょう。
前回の軽い復習です。0より大きい数を正の数、0より小さい数を負の数というんでしたね。
ところで2と3のどちらが大きいかと聞かれればみんな3と答えられるはずです。
そこで問題です。-2と-3では、どちらが大きい数ですか?
答えは-2です。意外と-3と答えてしまった人も多いのではないでしょうか?
よく考えれば、-2℃と-3℃の気温では-2℃のほうが少し暖かいので-2のほうが大きいとわかります。
ですが少しややこしいと思いますので、これから詳しく見ていきましょう!
絶対値
数の大小のお話をする前に、非常に重要な新しい考え方をご紹介します
それが、絶対値といわれるやつです。そこまで難しくないので安心してください。
まず、数直線を下に描きました

そうです。小学校で出てきた数直線です。
しかし、一か所小学校の時と大きく違う点がありますね。
そうです、0の左に負の数があります。この数直線を使って、絶対値の説明をしていきます。
では参りましょう、絶対値とはズバリ、ある数字の0からの距離のことを表します。
中学生の間は、絶対値は数直線上で考えることで理解することができます。
実際に見ていきましょう。

例として、5の絶対値と-4の絶対値を見ていきます。
まずは、5の絶対値です。
5は数直線において、0からの距離が5(5マス空いているため)ですので、そのまま5の絶対値は5ということになります。簡単ですね!
つぎに、-4の絶対値です。これは、-4は数直線上において、0から4マス左の点が-4を表します。
すなわち、0から-4までの距離はと聞かれれば、0から左に4マス数えることができるので、距離は4となります。
したがって、-4の絶対値は?と聞かれれば、答えは4ということになります。
正の数の場合、絶対値はそのままその数になります。
ですが負の数の場合だと、マイナスを取り払って答える必要があります。
絶対値を聞かれたときは、符号を取り払って答えると間違いなく正解になります。
例えば4,+7,-5,-20の絶対値は?と聞かれたら、左から順に4,7,5,20となり、確かに符号だけを取っ払ってすべて正の数にして答えればよいのがわかると思います。
ですが、あくまで絶対値とは距離のことです。
慣れるまでは、数直線を書くか頭の中でイメージしてから、答えるようにするほうが今後のためになるでしょう。
それと一つ注意なのですが、絶対値を答えるときは、特に指定がない限りはm(メートル)やkm(キロメートル)などの単位は必要ありません。
単位をつけるのは基準となる長さが指定されている時のみで、今回は1マスが何メートルかは指定されていませんから、単位をつけずに答えてください。
まず、絶対値の問題で単位をつけて答えさせる問題は99.9%あり得ませんから安心してください。
では、軽く練習問題をやってみましょう
次の数の絶対値を答えなさい
(1) \(3\)
(2) \(-7\)
(3) \(+20\)
(4) \(\dfrac{2}{3}\)
(5) \(0\)
(6)\(-2.5\)
(1) \(3\)
3は数直線上では0からの距離が3ですね。そのままでいいので一番簡単なパターンです。
(2) \(7\)
-7も同様に数直線で考えてあげると、0からの距離が7(数直線上で0から左に数えて7番目)なので、絶対値は7です。
(3) \(20\)
プラスが付いていてもやることは一緒です。0からの距離は20なので、絶対値も20になります。+20も20も同じ数だということは前回の記事でやりましたね。それと、答え方として+20としても正解ですが、絶対値は距離を表すことから必ず正であるため、わざわざ書かなくてよいです。
(4) \(\dfrac{2}{3}\)
分数になると、少しややこしく感じてしまうかもしれませんがやることは一緒です。数直線上で、0からの距離が\(\frac{2}{3}\)であるということなので、絶対値はそのまま\(\dfrac{2}{3}\)となります。
(5) \(0\)
0は0の点からどれだけ距離がありますか?当然、距離は0ですので0の絶対値は0です。ここで、値としての0と距離としての0がごちゃ混ぜにならないように注意してください。あくまで絶対値とは距離のことです。
(6) \(2.5\)
これも今までと同様、0からの距離を考えて答えればOKです。マイナスがついていようが、整数でなかろうが、数直線を考えればすぐなので混乱しないようにしてください
数の大小
さあここからが本題です。マイナスも含めて、数の大小比較ができるようにしましょう

マイナスの大きさと言われれば、いまいちピンとこないかもしれません。
そこでまた数直線の登場です。
数直線上において、右側に行けば行くほど数は大きくなります。
数直線のメモリが、右に行くたびに1を足していっていると考えれば当たり前な気がします。
このように、数学は数の大小のように頭ではイメージしずらいことも、数直線のように図で考えると明確になることがあります。
そして絶対値の話が、ここで活きてきます。いくつかのパターンに分けて理解していきましょう。
①正の数同士の大小
例えば、3と4だったら4のほうが大きいです。
これは小学校の時からやっている超基本的な話です。単純に二つの数の大小を比べましょう。
②正の数と負の数の大小
例えば、3と-4だったら3のほうが大きいです。
これは、たとえどんな数でも正の数のほうが負の数よりも大きいからです。
そもそも正の数は0より大きい数、負の数は0より小さい数でしたね。
ですから、正の数のほうが負の数より大きいのはごく当たり前のことなんです。
③負の数同士の大小
ここが一番重要です。-3と-4を例にとって、どちらが大きいかを考えてみてください。
答えは-3のほうが大きいです。結論から言うと、負の数の大小は正の数の時と逆転します。
これはどういうことか、数直線を用いて理解していきましょう。

前提として、数直線上において右に行けば行くほど数は大きくなります。
さて、負の数の大小を考えるとき、役に立ってくるのが先ほど説明した絶対値です。
絶対値とは0からの距離のことでしたね。
一般に、負の数同士であれば絶対値が大きい数のほうが小さい値になります。
数直線上において、負の数の絶対値が大きいということは、0から左側に、より遠くに位置するということになります。つまり、0を基準として、より左側にいるわけです。
数直線上において、その値が右側にあればあるほど大きな数ということになりますから、逆に0からみてより左側にある数、すなわち絶対値が大きい負の数は、それだけ小さい数になるのです。
このように理屈でおぼえるのが良いですが、感覚的に正の数の時と反対になる、と覚えておけば何とかなります。
一応このようにパターンに分けて説明してきましたが、結局頭の中で、数直線上でそれぞれの数がどこにあるかがイメージできれば正の数、負の数関係なく理解することができます。
そのために、絶対値の理解がとても重要になってくるのです。
ここでつまずいてしまうと、今後悲惨な目にあってしまうのでくどく、丁寧に説明してきました。
それでは、実際に問題を通して頭の中を整理していきましょう。
次の数のうち、最も大きいものを答えよ
(1) \(4, 2, 9\)
(2) \(-3, -7, 2\)
(3) \(-5, -8\)
(4) \(-2.5, -\dfrac{5}{8}, -2\)
(1) \(9\)
小学校の算数ですね。普通にそのまま9です
(2) \(2\)
一つだけ正の数で、他はすべて負の数です。2だけ0より大きくて、他は0より小さいのですから当然最も大きいのは2です。
(3) \(-5\)
すべて負の数ですね。絶対値を考えると、-5のほうが絶対値が小さいです。つまり、数直線上で0からの距離がより近い数ということになり、-8よりも右側に位置することがわかります。(混乱したら数直線を書いてみてください)ですから、絶対値の小さい-5のほうが、数としては大きいわけです。
(4) \(-\dfrac{5}{8}\)
分数や小数が混ざって、やや難しそうに感じるかもしれませんが、やることは一緒です。とりあえず絶対値を考えてみてください。それぞれ絶対値は2.5, \(\frac{5}{8}\), 2になります。今回はすべて負の数ですから、絶対値が一番小さいのを選べばよいです。この中だと、\(\frac{5}{8}\)が0.625と一番小さいですから、これらにマイナスが付いたときに一番大きくなるのは-\(\frac{5}{8}\)になります。
ちなみに、なぜここまで数直線を考えさせるかというとちゃんと理由があります。
ある数の大きさを把握するのに、図を用いてその位置から視覚的に理解することは、今後の座標という考え方につながっていきます。
さらに、絶対値を距離だと強調するのはかなり後にやる分野で、非常に重要な概念になってくるからです。
数学は積み重ねの教科ですから、初めのうちに本質を理解しておくと後々の学習がスムーズに行くことがあるのです。
ですから今のうちに、しっかりと本質をつかんでいってください。
まとめ
絶対値とは、数直線上における0からの距離を表す値で、正の数であれば絶対値が大きければ大きいほど、負の数であれば絶対値が小さければ小さいほど数は大きくなります。
さて、マイナスの大小をマスターしたところで次はいよいよマイナスを含む計算に入ります。
ではさようなら!
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