確率だいすきDaddyです。
中2数学の『確率』の問題を取り上げます。
今回とりあげる問題は、難易度やや高め。
確率を『日本語に翻訳する』力を磨きましょう。
『状況を整理しよう』は数学のわかりづらい文章題をわかりやすく言い換えたものです。「難しくて解けない」というときは、ヒントとして活用してください。
整数を並びかえる問題
今回は、ランダムに選んだ4枚のカードが4の倍数になる確率を求める問題です。
まず、問題作成者が私たちにさせたいミスを予想します。
- 0のカードがある → 0が千の位に入ると、3けたの数になるので除外します
- 4が2枚ある → 確率を求めるときは、重複しているものも別のものとして考えます
今回、2つの「4」にはA, Bという区別をつけます - 全てのカードは使わない
次に、4の倍数の条件について考えます。
ある数の下2けたが4の倍数であれば、その数は必ず4の倍数です。
今回、4の倍数になる2つの数の並べ方は
(0 A)(0 B)(1 2)(2 0)(2 A)(2 B)(3 2)(A 0)(B 0)(A B)(B A)の11通り。
これら11通りを0を含むかどうかで適切に場合分けしていきます。
2枚の4を区別するため、それぞれA, Bとする。
全事象(4枚のカードの全ての引き方)は、
\(6 \times 5 \times 4 \times 3 = 360\)(通り)
4けたの整数が4の倍数であるのは、下2けたが4の倍数のときである。
⑴ 下2けたに0を含む場合
下2けたは\((0 A)(0 B)(2 0)(A 0)(B 0)\) の5通り
上2けたは、すでに使っている0を含むことがないので、残りの4枚を任意に(好きなように)並び替えて良いから、\(4 \times 3 = 12\)(通り)
よって、4けたの並べ方は\(5 \times 12 = 60\)(通り)
⑵ 下2けたに0を含まない場合
\((1 2)(2 A)(2 B)(3 2)(A B)(B A)\) の6通り
千の位に入れてもよいのは、下2けたと0を除く3通り。
百の位に入れてもよいのは、使っていない3つの整数全てだから、3通り。
よって、4けたの並べ方は\(6 \times 3 \times 3 = 54\)(通り)
⑴と⑵は ※互いに排反 だから、求める確率は
\(\displaystyle \frac{60+54}{360} =\) \(\displaystyle \frac{19}{60}\)
※互いに排反とは?
⑴と⑵が同時に起きないということ。今回の場合、下2けたに0を含まずに0を含むことはできません。当たり前です。
互いに排反であるとき、場合の数は足してもよいことになっています。
袋から玉を取り出す問題
今回は3つの袋から1枚ずつカードを取り出す問題です。
~ないの形の問題の時は、余事象を、つまり14以上になる確率を考えます。
まずは状況を整理しましょう。
A | 1 | 3 | 5 |
B | 2 | 4 | 6 |
C | 2 | 3 | 5 |
このようになっているとき、取り出したカードの和が14以上になる場合を求めてあげます。
今回14を超える組み合わせは、(3,6,5),(5,4,5),(5,6,5)の3通り。
※余事象とは?
⑴と⑵が正反対の関係にあること。今回の場合、14未満にならない場合、必ず14以上になります。当たり前です。
余事象の関係であるとき、1-(1)=(2)が必ず成り立ちます。
起こりうるすべての取り出し方は
3×3×3=27(通り)
和が14以上になる取り出し方は、状況を整理しようから 3通り
よって3枚のカードの和が14未満になる確率は和が14以上にになる確率の余事象だから、
\(\displaystyle 1-\frac{3}{27} =\)\(\displaystyle\frac{8}{9}\)
今回は1個の箱からこの玉を取り出す問題です。
まずは確率の基本を確認しましょう
・玉は識別できると考える。
・重複してしまう組み合わせがある(組み合わせ)
・確率は0から1まで
このことを意識すると答えが見えてくるでしょう。
2つの玉の取り出し方は(A,B),(B,A)のようにすべての組み合わせが2回ずつ現れるから
\(\frac{5×4}{2} =10\)(通り)
(1)赤玉のみ取り出す場合だから、
\(\frac{3×2}{2} =3\)(通り)
よって答えは、\(\displaystyle\frac{3}{10}\)
(2)白玉のみ取り出す場合だから、
\(\frac{2×1}{2} =1\)(通り)
よって答えは、\(\displaystyle\frac{1}{10}\)
(3)赤玉と白玉1つずつ取り出す場合で、
この時組み合わせが重複することはないから \(3×2=6\)(通り)
よって答えは赤玉のみ取り出す確率だから、
\(\frac{3×2}{2} =3\)(通り)
よって答えは、\(\displaystyle\frac{6}{10}=\)\(\displaystyle \frac{3}{5}\)
(別解) 今回の問題では、「赤玉のみ」「白玉のみ」「赤玉と白玉1つずつ」の3通りの場合がある。(1)、(2)で3つの内2つを求めた。そのため先程の余事象の知識を用いることでより簡単に解くことができる。つまり、
\(\displaystyle 1- \frac{3}{10}-\frac{1}{10}=\frac{3}{5}\)
(4)今回の問題の袋には、黒玉は入っていない。よって確率は \(0\)
サイコロを振る問題
今回は、2つのサイコロの目の合計が、2の倍数でも3の倍数でもない確率を求める問題です。
2つのサイコロに関する確率の問題は、必ず表をかくこと。
一見すると数学っぽい解法じゃないように見えるかもしれませんが、これは王道テクニック。
初歩的なミスを完全になくします。
2つのサイコロの目の組み合わせは、下の表から36通り。
それらの和のうち、2でも3でも割り切れないのは◯がついた12通り。
\(\displaystyle \frac{12}{36} =\) \(\displaystyle \frac{1}{3}\)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
1 | × | × | × | ◯ | × | ◯ |
2 | × | × | ◯ | × | ◯ | × |
3 | × | ◯ | × | ◯ | × | × |
4 | ◯ | × | ◯ | × | × | × |
5 | × | ◯ | × | × | × | ◯ |
6 | ◯ | × | × | × | ◯ | × |
確率に文字が含まれる問題
今回は、3人のじゃんけんが \((n-1)\) 回目まであいこが続き、\(n\)回目に決着がつく確率を求める問題です。
3人が1回じゃんけんしてあいこになる確率をはじめに求めると良いでしょう。
3人でじゃんけんをしてあいこになる場合は、「みんな同じ手を出す場合」「みんな違う手を出す場合」の2つある。
皆同じ手を出す場合はグー、チョキ、パーの3通りー(i)
皆が違う手を出す場合は 1人目は、グー、チョキ、パーの3通り。2人目は、1人目が出した手以外の手、つまり2通り。3人目は残った手だから1通り。
よって 3×2×1=6(通り)ー(ii)
3人はそれぞれ3種類の手を持っているから、
3×3×3=27(通り)ー(iii)
(i)、(ii)、(iii)より、3人でじゃんけんしてあいこになる確率は、
\(\displaystyle\frac{3+6}{27}=\)\(\displaystyle \frac{1}{3}\)
これがn-1回連続するから、\(\displaystyle (\frac{1}{3})^{n-1}\)
n回目に勝負がつく。つまり「あいこにならない」ということだから、
\(\displaystyle1-\frac{1}{3}=\)\(\displaystyle \frac{2}{3}\)
よって、
\(\displaystyle(\frac{1}{3})^{n-1}×\frac{2}{3}=\)\(\displaystyle \frac{2}{3^n}\)
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