フィボナッチ数列の一般項を求めたい方が、まずはじめに読む記事。

こんにちは。

Frontiesta代表の高校生Daddyです。

フィボナッチ数列の一般項が求めたいっっっっっ!というのが今回のテーマ。

フィボナッチ数列の一般項は、高校数学の範囲で求めることができます。

長ったらしく、わかりやすく解説していきます。

Daddy
Daddy

わかりやすい解説に、簡潔さは要らねえええ!

それでは早速、Let’s go!

プロフィール

Frontiesta代表。大阪出身。
塾が苦手で、鉄緑会を辞めて新たな教育プラットフォームを立ち上げた。
パソコン使用歴は2年くらい。
あだ名は"パパ"や"ダディー"で、生粋のいじられキャラ。

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フィボナッチ数列とは

まずは、フィボナッチ数列の確認をしましょう。

フィボナッチ数列は、次のような数列です。

\(1,1,2,3,5,8,13,21,\cdots\)

Zutti
Zutti

えーと、どんな規則で並んでるんだっけ?

言葉で説明するのがちょっと難しいので、図で説明します。

2つの隣り合っている数を足すと、次の数になるような数列です。

これは、隣り合っている2ならどこの数でも必ず成り立っています。

これを数学っぽくまとめると、『n番目の数とn+1番目の数を足すと、n+2番目の数になる』ような数列となります。

これがフィボナッチ数列でした。

ここで、もう一歩踏み込みましょう。

これから一般項を求めるためには、フィボナッチ数列の漸化式を作っておく必要があります。

Daddy
Daddy

漸化式がわからないと、ここから先はちょっと厳しい。雰囲気だけ味わってな。

n番目の数とn+1番目の数を足すと、n+2番目の数になる』という日本語を、そのまま数式にしてしまいましょう。

\(a_{n+2}=a_{n+1}+a_n\)

定義し忘れましたが、ここではフィボナッチ数列を \(\{a_n\}\) としています。

この漸化式は、隣接三項間漸化式なので、あらかじめ \(a_1, a_2\) を定義しておかなくてはなりませんね。

今回は、\(1,1,2,3,5,8,13,21,\cdots\) としているので、\(a_1=1, a_2=1\) としておきましょう。

ここまでをまとめると、フィボナッチ数列は次のような数式で定めることができます。

まとめ

フィボナッチ数列は、次のように定められる数列 \(\{a_n\}\) のことである。ただし、\(n=1,2,3,\cdots\) とする。

\(a_{n+2}=a_{n+1}+a_n, \ a_1=1, \ a_2=1\)

フィボナッチ数列の一般項

いよいよ、一般項を求めていきますよ!

初めに言っておきます。

計算が重いです

結果だけ見てみましょうか。こんな感じ。

フィボナッチ数列の一般項

$$\dfrac{1}{\sqrt{5}} \left\{ \left( \dfrac{1+\sqrt{5}}{2} \right)^n – \left( \dfrac{1-\sqrt{5}}{2} \right)^n \right\}$$

Zutti
Zutti

え、エグくないか???汚いなあ。

Daddy
Daddy

いや、この数式は美しいやろ。

感性は人それぞれですが、ちょっとやそっとの努力で導けるものではありませんね。

一方、この公式には黄金比が登場しています。

\(\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\) っていうヤツですね。

計算ミスしていたら、黄金比が出てこなくなるので、その点ではわかりやすいかも。

とにかく頑張るのみ。

特性方程式を解く

まずは特性方程式を解くことを考えましょう。

Zutti
Zutti

漸化式の係数をそのまま2次方程式の係数にすればよかったよね。

今回は、\(x^2=x+1\) を解くことになります。

変形して、\(x^2-x-1=0\) とします。

2次方程式の解の公式を使いましょう。すると、

\(x=\dfrac{1 \pm \sqrt{5}}{2}\)

この2解が得られます。

ちょっと長くて面倒なので、2解を \(\alpha, \beta\) で書き表しましょうか。

\(\alpha = \dfrac{1-\sqrt{5}}{2}, \beta = \dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\) と置きます。

Zutti
Zutti

あー、勝手にラクしてるー!

Daddy
Daddy

ちゃうわ。これは計算ミスを防ぐテクニックなんやで。

Zutti
Zutti

いや、ラクしてることには変わらないし。

これで、\(x= \alpha, \beta\) と特性方程式を解くことができました。

2つの等比数列の漸化式を解く

特性方程式が解けたので、次は等比数列の漸化式を解いていきます。

解が2つになったので、等比数列の漸化式は2つできます。

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+2}- \alpha a_{n+1}= \beta (a_{n+1}- \alpha a_n) \\
a_{n+2}- \beta a_{n+1}= \alpha (a_{n+1}- \beta a_n)
\end{array}
\right.\notag
\end{eqnarray}

Zutti
Zutti

いやー、文字多くてわかんねー

Daddy
Daddy

え?笑

じゃあ元に戻してみよか?

もし、さっきの式の意味が分からなければ、一旦戻しても構いませんが…

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+2}- \dfrac{1-\sqrt{5}}{2} a_{n+1}= \dfrac{1 + \sqrt{5}}{2} (a_{n+1}- \dfrac{1-\sqrt{5}}{2} a_n) \\
a_{n+2}- \dfrac{1 + \sqrt{5}}{2} a_{n+1}= \dfrac{1-\sqrt{5}}{2} (a_{n+1}- \dfrac{1 + \sqrt{5}}{2} a_n)
\end{array}
\right.\notag
\end{eqnarray}
↑横スクロール可能

Zutti
Zutti

ああ、余計分かりにくくなった…

Daddy
Daddy

な?文字って偉大やろ?

ということで、\(\alpha, \beta\) を使ったまま一旦計算してみたいと思います。

ここからの計算過程は、ぜひ皆さんご自身の手でやってみてください。

答えを隠しておきます。クリックすると開きます。

(1) 1つ目の式 \(a_{n+2}- \alpha a_{n+1}= \beta (a_{n+1}- \alpha a_n)\) について考える。

\(b_n=a_{n+1}- \alpha a_n\) とおくと、\(b_{n+1}=\beta b_n\) となり、等比数列になる。

\(b_1=a_2- \alpha a_1=1-\alpha\) より、\(\{b_n\}\) は初項\(1-\alpha\)、公比\(\beta\)の等比数列である。

したがって、\(b_n = (1- \alpha) \beta ^{n-1}\)

ゆえに、\(a_{n+1}- \alpha a_n = (1- \alpha) \beta ^{n-1}\)


(2) 2つ目の式 \(a_{n+2}- \beta a_{n+1}= \alpha (a_{n+1}- \beta a_n)\) について考える。

\(c_n=a_{n+1}- \beta a_n\) とおくと、\(c_{n+1}=\alpha c_n\) となり、等比数列になる。

\(c_1=a_2- \beta a_1=1-\beta\) より、\(\{c_n\}\) は初項\(1-\beta\)、公比\(\alpha\)の等比数列である。

したがって、\(c_n = (1- \beta) \alpha ^{n-1}\)

ゆえに、\(a_{n+1}- \beta a_n = (1- \beta) \alpha ^{n-1}\)

これらの計算過程を踏まえると、次のようになりますね。

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a_{n+1}- \alpha a_n = (1- \alpha) \beta ^{n-1} \ \cdots (1)\\
a_{n+1}- \beta a_n = (1- \beta) \alpha ^{n-1} \ \cdots (2)
\end{array}
\right.\notag
\end{eqnarray}

Daddy
Daddy

数学サイトに書かれてある数式は、読むだけやなくて手を動かしながら理解してな。

Zutti
Zutti

主体的な学び、大事!

あとは、(1)と(2)を連立させて \(a_n\) を求めるだけです。

(1)-(2)をすると、\(a_{n+1]\) を消去できます。

ちょっと整理してあげると、

\((\beta-\alpha) a_n = (1- \alpha) \beta ^{n-1} – (1- \beta) \alpha ^{n-1}\)

だいぶスッキリしてきました。

あとは、\(\alpha, \beta\) を元に戻してあげれば良さそうです。

Zutti
Zutti

ここでも計算テクニックはないの?

計算テクニックとまではいきませんが、ミスを防ぐために一部を先に計算するのはおすすめです。

今回でいえば、次の色のついた3箇所は先に計算した方が良さそうですね。

$$\color{black}{(} \color{red}{\beta-\alpha} \color{black}{ ) a_n = (} \color{red}{1- \alpha} \color{black}{) \beta ^{n-1} – ( } \color{red}{ 1- \beta} \color{black}{) \alpha ^{n-1}}$$

ということで、計算結果は次のようになります。

\begin{eqnarray}
\beta-\alpha &=& \dfrac{1 + \sqrt{5}}{2}-\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}\nonumber\\
&=& \sqrt{5}\nonumber\\
\nonumber\\
1-\alpha &=& 1-\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}\nonumber\\
&=& \dfrac{1 + \sqrt{5}}{2}\nonumber\\
&=& \beta\nonumber\\
\nonumber\\
1-\beta &=& 1-\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\nonumber\\
&=&\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}\nonumber\\
&=& \alpha\nonumber\\
\end{eqnarray}

なかなか綺麗にまとまりました。

\(1-\alpha = \beta\) などは、対称性や解と係数の関係からも導けます。

さて、この3つをもとの式に代入しましょう。

\(\sqrt{5}a_n = \beta \cdot \beta ^{n-1}-\alpha \cdot \alpha ^{n-1}\)

Zutti
Zutti

こんなにスッキリするなんて、驚きだね!

Daddy
Daddy

苦労が報われる瞬間やな。

\(a_n\) について整理したら、ゴールも目前です!

\(a_n=\dfrac{1}{\sqrt{5}}(\beta^n-\alpha^n)\)

ということで、\(a_n\) の一般項がついに求まりました!

\(a_n = \color{red}{\dfrac{1}{\sqrt{5}}\left\{\left(\dfrac{1+\sqrt{5}}{2}\right)^n-\left(\dfrac{1-\sqrt{5}}{2}\right)^n\right\}}\) となります!

Zutti
Zutti

こんなぐちゃぐちゃの式でも、\(1,1,2,3,5,8,\cdots\) って自然数の値になるんだね。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、フィボナッチ数列の一般項を求める、というテーマで1記事を仕上げました。

私もとうとう大学受験生になり、本来こんな記事を書いている場合ではないのですが、これからも頑張りたいと思います!

ほんまに何をしてんねやろ…

応援コメントなどいただけると、励みになります。

それではっ!

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