
こんにちは。
今年度、高校2年生に進級いたしましたDaddyです。
今回のテーマは、ズバリ『確率』です。
中学校で習う確率は、小学校で習うものを少しだけ発展させただけ。
決して難しいものではありませんから、頑張っていきましょう!
復習:確率とは
ここでは、小学6年生で習うキホン的な内容を、中学生向けに書き直しているものです。軽く読み流していただいて構いません。
確率の厳密な定義について、Wikipediaでは次のようになされています。
確率(かくりつ、英: probability)とは、偶然起こる現象に対する頻度(起こりやすさの指標)のことである。確率の定義は、統計的確率、数学的確率・理論的確率・古典的確率(意味はどれも同じ)、公理的確率の3つがある。
– Wikipedia より
噛み砕いて言えば、『あることをめっちゃ繰り返した時、ある特定のコトがどれくらいの頻度で起こるか』を表したものを確率と言います。
例えば、とあるサイコロを振ったとき、1の目が出る確率を求めてみましょう。
下の表は、この「とあるサイコロ」を100000回振った時の出た目のデータです。
1の目 | 2の目 | 3の目 | 4の目 | 5の目 | 6の目 |
16585 | 16595 | 16775 | 16689 | 16613 | 16743 |
ここで、確率の求め方を覚えていますか?
あることが起こった回数を起こった全ての回数で割れば良いので、
\(\displaystyle \frac{(1の目が出た回数)}{(サイコロを振った回数)}=\displaystyle \frac{16585}{100000}\)
このようにして求めることができますね。
小数で表すと、\(0.16585=16.585%\)です。
同様に確からしいということ
ここからが本番。
先ほどのサイコロは、100000回振った時の、それぞれの目で出た回数が異なっていました。
\(16585, 16595, 16775, 16689, 16613, 16743\)といった具合です。
ところが、もしこのサイコロが正確に作られて、もっともっとたくさんサイコロを振れば、それぞれの目の回数がだんだんと等しくなっていくはず。
これが「同様に確からしい」ということです。
確率の問題を解くために、毎回毎回サイコロの実験をしているようでは日が暮れます。
そこで『全ての目で出やすさが変わらないことにしちゃえ』『全ての目で出る確率を一緒にしちゃえ』と投げやりに仮定してしまうのです。
以降、問題文中で「〜は同様に確からしいものとする。」と書かれていたら、それぞれで出る確率が全て同じものとして考えて良いものとします。
ただ、これは数学的な厳密さを追求した表記ですので、あまり難しく考えなくて構いません。
何も書かれていない場合も同様に確からしいと考えてよいです。
むしろ同様に確からしくない場合は『これは歪んだ形をしたコインである』『このサイコロは重心がずれている』などと、不自然な表記が明確にされているので心配いりません。
樹形図を使う問題
1, 2, 3と書かれたカードがそれぞれ1枚、合計で3枚入った袋がある。
この袋の中をよく混ぜ、ランダムに1枚取り、書かれた数字を記録して元に戻す、という操作を3回繰り返す。
得られた3つの数を、記録した順番に百の位、十の位、一の位として1つの整数を作る。
このとき、この3けたの整数が220より大きくなる確率を求めよ。
んー、文章が堅苦しくて長い。
こういう問題には少しずつ慣れていきましょう。
- 3けたの整数をつくることにしたよー
- それぞれの位では、必ず1か2か3が完全にランダムに入るよー
- この数が220より大きくなるのってどれくらいの確率?
こうした一般的な確率の問題では、樹形図をつくります。
樹形図とは、その名の通り『木の枝を伸ばしたような形をした図』のこと。
樹形図自体はとてもシンプルなもので、中学受験された方は小学生の頃にすでに習っているという人も多いのではないでしょうか?
全体の数が少ないときや公式に当てはめにくいとき(確率の加法定理など。中学校では習いません)に相当な威力を発揮します。
樹形図のつくり方は、この例題の解答を通して一緒に勉強することにしましょう。
左から順に百の位、十の位、一の位として樹形図をかく。



樹形図より、つくることができる整数は全てで27通りであり、これらができる確率は同様に確からしい。
このうち、220を超えているのは15通り。
よって、\(\displaystyle \frac{15}{27}=\)\(\displaystyle \frac{5}{9}\)
このように、樹形図をつくることで、27通りの整数を全て書き出さずに済みます。
また、今回の内容からは飛躍しますが、いちおう確率の和の法則・積の法則を用いた考え方も別解として載せておきます。
こちらは図を一切つくらない、少し頭の良い発想です。
ただ、コレもやはり数学が苦手な人からするとかなり難しいと思います。
なぜなら、高校数学にも通じるレベルの『論理的な証明』がなされているからです。
高校数学をしっかりと学ぶか、国語がめちゃくちゃ得意な人は読むと良いでしょう。
まず、百の位が3のときについて考える。220を超えるためには、百の位が3であれば確実である。百の位が3になる確率は\(\displaystyle \frac{1}{3}\)である。
次に、百の位が2のときについて考える。220を超えるためには、十の位が2か3であれば良い。百の位が2になる確率は\(\displaystyle \frac{1}{3}\)で、十の位が2か3になる確率は\(\displaystyle \frac{2}{3}\)である。よって、\(\displaystyle \frac{1}{3}\times\displaystyle \frac{2}{3}=\displaystyle \frac{2}{9}\)
最後に、百の位が1のときについて考える。220を超えることはまずあり得ない。
よって、求める確率は\(\displaystyle \frac{1}{3}+\displaystyle \frac{2}{9}=\)\(\displaystyle \frac{5}{9}\)
表を使う問題
大小2つのサイコロがある。大小それぞれの目を\( \ a, \ b \ \)とおく。このとき、\(2a+b \ \)が4の倍数になる確率を求めよ。
ただし、サイコロの目の出方は同様に確からしいものとする。
中学生が解く問題としては難易度がかなり高めです。
実際に、サイコロの目の組み合わせは\(6(通り) \times 6(通り)=36(通り)\)もあります。
36通りも\( \ 2a+b \ \)の値を調べていると、フツーにしんどい。
効率よく計算する方法はないでしょうか?
1つはaの偶奇での場合分けです。
下の条件を満たす場合のみ\( \ 2a+b \ \)を4で割ることができます。
- \(a\)が奇数\((a=1,3,5)\)かつ\(b\)は4の倍数でない偶数\((b=2,6)\)のとき
- \(a\)が偶数\((a=2,4,6)\)かつ\(b\)が4の倍数\((b=4)\)のとき
この考え方は旧帝大などといった難関大学の『整数問題』でよく用いられます。
一方で、この解き方は「数学猛者」向け。
たかがサイコロ2つ程度の問題でこんな解き方するなんて、時間も才能も無駄遣い。
もう1つはズバリ表をつくるということ。
なにか2つのものを組み合わせる問題(今回ならサイコロ2つ)では必ず表をつくりましょう。
次のように、横を表をつくる。
列が\(2a\)を表し、行が\(b\)を表す。
2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 12 | |
1 | ||||||
2 | \(\bigcirc\) | \(\bigcirc\) | \(\bigcirc\) | |||
3 | ||||||
4 | \(\bigcirc\) | \(\bigcirc\) | \(\bigcirc\) | |||
5 | ||||||
6 | \(\bigcirc\) | \(\bigcirc\) | \(\bigcirc\) |
\(2a+b \ \)が4の倍数になるものは、上の表で\(\bigcirc\)をつけた9通り。
よって、\(\displaystyle \frac{9}{36}=\)\(\displaystyle \frac{1}{4}\)
中学生がこの問題を解くときには、表の中の値を実際に書く必要は一切ありません。
仮に記述問題としてこの手のサイコロの問題が出題されたとしても、このようなシンプルな表を作れば減点されることはありません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
中学生の確率の問題はパターンが決まっていて、樹形図か表に落とし込めば解ける問題がほとんどです。
とにかく手を動かして、正確に計算していきましょう!
一部の難しい問題は、場合の数から確率を求めることがあるので、別の記事で解説します。
最後に、Frontiesta公式LINEで質問を受けつけています。
長期休業期間や学校行事の期間は返信が遅れてしまうかもしれませんが、気軽に連絡してみてください。
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