組立除法とは?証明とともに高校生がわかりやすく解説!

組立除法の完成図

こんにちは。

Frontiesta代表のDaddyです。

今回は、組立除法というものを勉強しましょう。

記事にたどり着いた皆さんは、『組立除法って聞いたことはあるけど、よくわからない』という方でしょう。

この記事を読めば、誰でも確実に組立除法のやり方をマスターできます。

Zutti
Zutti

やり方だけ忘れたから、今すぐ知りたいよ!

という方は、このリンクからジャンプ!

それでは、Let’s go!

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プロフィール

Frontiesta代表。大阪出身。
塾が苦手で、鉄緑会を辞めて新たな教育プラットフォームを立ち上げた。
パソコン使用歴は2年くらい。
あだ名は"パパ"や"ダディー"で、生粋のいじられキャラ。

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組立除法の雰囲気をつかむ

組立除法とは、数式をわり算するときに使える、ちょっとした計算テクニックのことです。

かけ算とたし算だけを用いることで、計算ミスを極限まで減らすことができます。

唯一注意すべきなのは、割る方の式が(x-p)のカタチになっていなくてはならないこと。

ただ、この部分はあとでしっかりと解説します。

例えば、次のような問題を解くときに使います。

例題

\(2x^5+x^4-5x^3+7x-9\) を \(x-2\) で割った商と余りを求めよ。

Zutti
Zutti

え?これってただの『整式の除算』じゃないの?

Daddy
Daddy

そうそう。ただ、めんどくさいやろ?今回勉強するのは、この計算の裏ワザっていうわけ。

最終的には、次のような計算ができるようになるのが目標です!

組立除法の完成図
Zutti
Zutti

『整式の除算』で習った筆算とぜんぜん違うじゃん!でも、たし算の筆算には似ているような…

Daddy
Daddy

ええこと言うやん。組立除法の最大のポイントは、たし算やな。

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組立除法の長所・短所

組立除法を勉強する最大のメリットは、計算がめっちゃ速いことです。

実際には、普通にわり算の筆算をしてしまっても答えはしっかりと出ます。

覚えていない人も結構います。

でも、組立除法を覚えておけば、計算ミスする可能性をぐっと減らして素早く計算できるのです。

例えば、次の例題を見てみましょう。

まずは、整式の除算の復習です。

例題(再掲)

\(2x^5+x^4-5x^3+7x-9\) を \(x-2\) で割った商と余りを求めよ。

Zutti
Zutti

さっきの問題だね。まずは普通に筆算してみるよ。

筆算のやり方を覚えていない人は、今すぐ下の記事をチェック!

整式の筆算
Zutti
Zutti

お、思ってたより大変じゃないか?

Daddy
Daddy

これ、係数だけで計算したからまだ楽なんやで。

Zutti
Zutti

係数だけの筆算を知らない人は、とてつもなく大変なんだろうな…

ということで、組立除法という素晴らしい計算法が編み出されました!

実は、組立除法も、やることは筆算と変わりません。

ただ、筆算のありとあらゆる部分を省略していきます。

実際に書くのは、問題文で与えられた青い部分と、実際に計算する赤い部分だけ。

整式の筆算(カラー)
Zutti
Zutti

半分くらい省略できるじゃん!

Daddy
Daddy

なんせ組立除法は、ある特別なときにしか使えない裏技やからな。

Zutti
Zutti

え?もう一回言ってみ?

Daddy
Daddy

実は、組立除法が使える場面は限定的。使えないことも多いねん。

実は、割る整式が1次式かつ、\(x-p\) のカタチに変形してからでないと使えません。

割られる整式はぶっちゃけどうでもいいんですけど。

\(x-3, x+6, x+\dfrac{3}{2}\) などが、組立除法で使える例。

\(x\) の係数が1ということ。

\(2x-5\) なんかを組立除法で使いたい時は、式の全体を2で割って、\(x-\dfrac{5}{2}\) としなければなりません。

覚えておきましょう。

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組立除法の計算法

それでは、計算法を伝授します!

さっきの例題を使いましょう。

例題(再掲)

\(2x^5+x^4-5x^3+7x-9\) を \(x-2\) で割った商と余りを求めよ。

まず、割られる整式と、2つの図形をセットしましょう。

こんな感じ。

組立除法 Step1

ここでは、割られる整式の係数だけを書いています。

右側の『カックン』が気になりますね。

ここには、割る整式 \(x-p\) の \(p\) をぶっ込みます。

今回なら、\(x-2\) の2をぶっ込みます。

なぜかというと、今後の計算でひき算を使わないため。

ほとんどの場合、ひき算よりたし算の方が楽でしょ?

マイナスに変形してからでないと使えないことには注意です。

組立除法 Step2

そして、イチバン左の数である2をそのまま下ろします。

組立除法 Step3

ここからが本番。

『斜めにかけ算、縦たし算』と唱えながら、地道に計算します。

まずはかけ算。

2つの赤丸をかけ算して、斜め上に記入します。

組立除法 Step4

次はたし算。

縦をそのままたし算しましょう。

組立除法 Step5

実際に繰り返すと、下のような図になります。

組立除法 Step6

イメージつきますかね。

かけ算の筆算をやっているイメージです。

さあ、これで計算は完了。

余りが右下に、商が緑色のところに現れています。

組立除法 Step7

よって、商は \(2x^4+5x^3+5x^2+10x+27\) で、余りは \(45\) となります。

まとめ
  1. 割られる整式をセット
  2. \(x-p\) の \(p\) をセット
  3. 左端を下ろす
  4. 『斜めにかけ算、縦たし算』
  5. 4を繰り返したら完成!
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組立除法の証明

なぜ組立除法が成り立つのか、疑問に思う人もいるかもしれません。

証明自体はかなり地味で、『証明』と言えるほどのものでもないのですが…

しかも文字が多くなって見にくくなりますし。

そのため、無理して読むことはおすすめしません。

今回は、3次式の場合のみ証明しますが、一般に何次式でも成り立ちます。

証明

\(ax^3+bx^2+cx+d\) を \(x- \alpha \) で割る。\((a \neq 0)\)

この時の商を \(px^2+qx+r\) 、余りを \(s\) と置く。

従って、次のような \(x\) についての恒等式が成立する。

\(ax^3+bx^2+cx+d=(x- \alpha)(px^2+qx+r)+s\)

係数を比較すると、\(a,b,c,d\) は次のように表せる。

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
a=p \\
b = q-p \alpha \\
c = r-q \alpha \\
d = s-r \alpha
\end{array}
\right.\notag
\end{eqnarray}

変形すると、\(p,q,r,s\) は次のように表せる。

\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
p=a \\
q = b+p \alpha \\
r=c+q \alpha \\
s=d+r \alpha
\end{array}
\right.\notag
\end{eqnarray}

\(p=a\) は、組立除法における初めの操作『左端の数をそのまま下ろす』に相当する。

以降の式は、『\(\alpha\) を斜めにかけて、その後縦にたし算する』操作に相当する。

よって、題意は示された。

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まとめ

最後に気をつけるべきこと。

組立除法は『絶対に使える!』と確信できた時だけに使ってください。

整式の除算はあくまで『筆算』を使ってやるべきものです。

次のような問題で無理やり組立除法をやることもできますが、それで計算ミスするくらいなら筆算した方が良いでしょう。

こんな問題に注意

\(A\) を \(B\) で割った時の商と余りを求めよ。

\(A:-5x^4+8x^3-2x+1\)
\(B:3x-7\)

割る数のカタチが \(x-p\) になっていないでしょう?

こういった問題は、素直に筆算してください。


これで組立除法の解説は終わりです。

組立除法のやり方が不安になったら、またFrontiestaのサイトに戻ってきてくださいね。

それではっ!

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