一次方程式ってナニ?移項の原理までしっかり解説!

Frontiesta代表のDaddyです。

今回は、中1数学の中で最も重要であるともいえる「一次方程式」を扱います。

小学生で習った「\(\Box\)を使った計算」と似ていますが、使い道がぐんと広がりますので、楽しみにしていてください。

Let’s go!

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プロフィール

Frontiesta代表。大阪出身。
塾が苦手で、鉄緑会を辞めて新たな教育プラットフォームを立ち上げた。
パソコン使用歴は2年くらい。
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方程式とは

一次方程式を学ぶ前に、方程式について理解しましょうか。

Wikipediaでは、方程式を次のよう説明しています。

数学において方程式(ほうていしき、英: equation)とは、まだわかっていない数(未知数)を表す文字を含む等式である。

– Wikipedia より

ここで等式という単語が出てきました。

等式は、2つの式を=で結んだもの、すなわち=が使われている式のことです。

例えば、\(1+1=2\)なんかは立派な等式といえるわけ。

じゃあ、方程式はというと、ざっくり文字が入った等式のことです

堅苦しい条件が一応ありますが、それは「文字の答えが存在する」ということです。

たまーに答えが存在しないことがあるんですよね。
(そもそも等式ではないことがほとんどだけど。)

それでは軽く問題。

例題1

次のうち、方程式はどれか。

(1) \(3x=6\)
(2) \(5x+3x\)
(3) \(x+2=x\)

それでは解答。

試験本番でこのような問題が出る可能性は極めて低いので、解けなくても心配いりません。

方程式にも定義があるということを知っておいてください。

解答

⑴が答え。

⑴は \(x=2\) で等式が成立する。

⑵は等式ではない。(多項式ともいえるでしょう)

⑶は等式として成立しない。
\(x\) にどのような数を入れても、左辺 ( \(x+2\) のこと) の方が2だけ大きくなってしまう。

⑶がひっかけでしたね。

実際に方程式が解けるようになると、すぐに解けるかどうか判別できるようになりますから、今は気にせずに。

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方程式を解く

方程式に含まれる文字(\(xやy, a\) など)の答えを求めることを、方程式を解くといいます。

ざっくりした説明ですが、答え合ってれば正直なんでもよし。

それでは方程式を解く上でめちゃくちゃ大事な考え方を伝授いたしましょう。

イコールが成り立てばどれだけ変形しても良いということです。

次の例題を見てみましょう。

例題2

次の \(x, y\) についての方程式を解け。

(1) \(2x+4=0\)

(2) \(3x-2=2x+9\)

(3) \(4y+9=\dfrac{8}{3}\)

方程式には等号(イコールを入れる)を挟んで、左辺右辺というものがあります。\(=\)の左側が左辺、右側が右辺です。

また、この2つのことを合わせて両辺と呼びます。

両辺で全く同じ計算をしても、方程式は成立します。

例えば『\(3\)を足す』『\(\dfrac{7}{8}\)を引く』『\(5\)を掛ける』『\(3.14\)で割る』ということをしても全く問題ないということです。


最後に注意しなければならないのは、解答の仕方です。

例えば、(1)の答えを\(-2\)としてしまってはバツ。

『方程式を解く』というのは、ある意味『与えられた方程式を最もシンプルな形にする』こととも言えます。

したがって、解答方法は \(x=-2\) のように、等式になります。

最終的には\((文字)=(数字)\)というカタチに持っていくので、左に文字が、右に数字がくるように、うまく計算していかなければなりません。

解答

左に文字が、右に数字がくるようにするという原則を忘れずに解いていく。

(1) 解答は、\(x=-2\)

\begin{eqnarray}
2x+4&=&0 \nonumber\\
\nonumber\\
両辺から&4&を引くと、\nonumber\\
\nonumber\\
2x+4\color{blue}{-4}&=&0\color{blue}{-4} \nonumber\\
2x&=&-4 \nonumber\\
\nonumber\\
両辺を&2&で割ると、\nonumber\\
\nonumber\\
2x\color{blue}{\div2}&=&-4\color{blue}{\div2} \nonumber\\
x&=&-2 \nonumber
\end{eqnarray}

このように、両辺に基本的な四則演算をしても、等式は崩れません。


(2) 解答は、\(x=11\)

\begin{eqnarray}
3x-2&=&2x+9\nonumber\\
\nonumber\\
両辺に&2&を足すと、\nonumber\\
\nonumber\\
3x&=&2x+11\nonumber\\
\nonumber\\
両辺から&2x&を引くと、\nonumber\\
\nonumber\\
x&=&11\nonumber
\end{eqnarray}

このように、文字を足したり引いたりしても、等式は崩れません。


(3) 解答は、\(x=-\dfrac{19}{12}\)

\begin{eqnarray}
4y+9&=&\dfrac{8}{3}\nonumber\\
\nonumber\\
両辺から&9&を引くと、\nonumber\\
\nonumber\\
4y&=&\dfrac{8}{3}-9\nonumber\\
4y&=&-\dfrac{19}{3}\nonumber\\
\nonumber\\
両辺を&4&で割って、
\nonumber\\
y&=&-\dfrac{19}{12}\nonumber
\end{eqnarray}

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方程式は移項して解く

ここで、移項というテクニックを授けます。

\(3x-2=2x+9\)という問題を解くことを考えます。

この問題を解くには、左に文字が、右に数字がくるようにするので、次のような処理を行います。

\begin{eqnarray}
3x-2&=&2x+9 \nonumber\\
3x-2 \ \color{red}{+2} \ &=&2x+9 \ \color{red}{+2}\nonumber\\
3x&=&2x+9+2\nonumber
\end{eqnarray}

つづく

両辺に2を加えれば、左辺から数字を消すことができますね。

ここでイキナリですが、この式の1行目と3行目を比較してみましょう。

\begin{eqnarray}
3x \ \color{blue}{-2} \ &=&2x+9 \nonumber\\
3x&=&2x+9 \ \color{blue}{+2}\nonumber
\end{eqnarray}

1行目の左辺の \(\color{blue}{-2}\) が、3行目の右辺に\(\color{blue}{+2}\)として動いているように見えます。

このように、途中式を省きたければ、プラスマイナスを入れ替えて左辺から右辺に動かせば良いことがわかります。(右辺から左辺に動かす時も同じです)

このプラスマイナスを入れ替えて移動させることを、移項と呼びます。

『項を移す』という漢字そのままの操作ですが、『プラスマイナスが入れ替わる』ということに注意しなくてはなりません。

今後、長い人生の中で膨大な量の方程式を解くことになりますが、少しでも計算量を減らすテクニックとして必ず覚えなければならないものです。

何度も問題演習して身につけていきましょう。

例題3

次の方程式を解け。

(1) \(9x+11=-16\)

(2) \(8x-21=4x-33\)

(3) \(-x-7=2x+5\)

解答

(1) 移項のテクニックを使いましょう。

\begin{eqnarray}
9x+11&=&-16\nonumber\\
9x&=&-16\color{blue}{-11}\nonumber\\
9x&=&-27\nonumber\\
x&=&-3\nonumber\\
\end{eqnarray}

よって、\(x=-3\)


(2) 計算量を少しでも減らすため、両辺同時に移項するのが賢いやり方です。

\begin{eqnarray}
8x-21&=&4x-33\nonumber\\
8x\color{blue}{-4x}&=&-33\color{blue}{+21}\nonumber\\
4x&=&-12\nonumber\\
x&=&-3\nonumber\\
\end{eqnarray}

よって、\(x=-3\)


(3) 今回は普通の解き方ではなく、計算ミスをなくすための、少し裏技チックな方法で解いてみましょう。
\(x\)にマイナスがつかないようにするため、今回はあえて文字を右に、数字を左に移項してみましょう。

\begin{eqnarray}
-x-7&=&2x+5\nonumber\\
-7\color{blue}{-5}&=&2x\color{blue}{+x}\nonumber\\
-12&=&3x\nonumber\\
-4=x\nonumber
\end{eqnarray}

よって、\(x=-4\)

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分母を払う

方程式を解く上では、解を求める(答えを出す)ことさえできれば良いので、\(+-\times\div\)はどの順番でやっても構いません。

ただ、計算ミスを防ぐためには、次のような技術を身につけておくと便利です。

例題4

次の方程式を解け。

(1) \(\dfrac{17}{36}x+\dfrac{19}{24}=\dfrac{23}{18}-\dfrac{8}{9}\)

(2) \(0.0375x+0.025=0.075x-0.35\)

解答

(1) この問題では、分数の計算が厄介。初めに、分数をなくせるようにかけ算したいところである。ここでは、各分母の最小公倍数である\(72\)をかけるのが最適。この操作を『分母を払う』という。

\begin{eqnarray}
\dfrac{17}{36}x+\dfrac{19}{24}&=&\dfrac{23}{18}-\dfrac{8}{9x}\nonumber\\
\nonumber\\
両辺に&72&をかけて、\nonumber\\
\nonumber\\
72\times\left(\dfrac{17}{36}x+\dfrac{19}{24}\right)&=&72\times\left(\dfrac{23}{18}-\dfrac{8}{9}x\right)\nonumber\\
34x+57&=&92-64x\nonumber\\
\nonumber\\
両辺とも&に&移項して、\nonumber\\
\nonumber\\
34x+64x&=&92-57\nonumber\\
98x&=&35\nonumber\\
x&=&\dfrac{5}{14}\nonumber
\end{eqnarray}

よって、\(x=\dfrac{5}{14}\)


(2) 小数は方程式において非常に扱いづらいので、初めに整数に戻す。一旦、小数を分数に変形してから分母を払ってしまうのも良い。

\begin{eqnarray}
0.0375x+0.025&=&0.075x-0.35\nonumber\\
\dfrac{3}{80}x+\dfrac{1}{40}&=&\dfrac{3}{40}x-\dfrac{7}{20}\nonumber\\
\nonumber\\
両辺の分母を&80&で払って、\nonumber\\
\nonumber\\
3x+2&=&6x-28\nonumber\\
-3x&=&-30\nonumber\\
x&=&10\nonumber\\
\end{eqnarray}

よって、\(x=10\)

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まとめ

いかがだったでしょうか?

今回扱った方程式は、1元1次方程式と呼ばれる、最も単純な方程式の一つです。

簡単に言えば、文字の種類が1つだけで、次数も1である方程式ということです。

いずれ下のような難しい方程式も学ぶことになるでしょう。

2元1次方程式
\begin{eqnarray}
\left\{
\begin{array}{l}
x + y = 10 \\
2x + 4y = 32
\end{array}
\right.\notag
\end{eqnarray}

1元3次方程式$$x^3-2x^2-x+2=0$$

合同方程式$$17x \equiv 11 (\mathrm{mod}13) $$

その他の方程式(指数方程式、対数方程式、三角方程式、微分方程式など…)$$5^x=8^{x+3}$$ $$\log_{x}2=\log_{2}x^2+1$$ $$\sin x+\sqrt{3}\cos x=\dfrac{1}{2}$$ $$\dfrac{dy}{dx}=5x-3$$

しかし、どれだけ発展しても、基礎的な内容は全て1元1次方程式に準じます。

移項の考え方などは一刻の早く習得してしまいましょう。

それではっ!

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